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鍼灸のお話
 
はり・きゅうの治療のお話
 
鍼灸でケアする子宮内膜症について
 


今回は「子宮内膜症」という症状についてお話させて頂きます。
子宮内膜症とは、子宮内膜などが子宮内腔以外の場所に増殖する進行性の疾患です。症状は疼痛を 基本としていますので、月経困難症の一部を占めていたり、下腹部痛、腰痛、排便痛、排尿痛、性交痛 などや、卵管等他組織との癒着により不妊症の原因の一つともなっています。

なぜ内膜が増殖するのかはっきりした原因は現在のところまだ不明です。
実際、不妊症と診断される場合の30%近くの人に子宮内膜症が見られるというデータもあります。 現代医学では、手術療法と薬物による対症療法が中心となっています。

 

 
44歳 女性 会社員
 



現病歴:
ここ20年近く月経時の腹痛があるという事でした。
特に最近2~3年程は痛みが強くなっており、市販の鎮痛剤などで対処されてきました。そこで婦人科を受診し検査されたところ、子宮内膜症と診断され服薬していましたが、あまり改善しないので、友人が鍼灸で良くなったということを聞いてご来院されました。
症状としましては、月経が来るとすぐに腹部が痛くなり、それと同時に吐気、手足の冷えがある。
経血に塊があり色は 暗い色、量は普通だと思う。普段は少し謡羽痛があり、お腹の両側が冷えて痛むという事でした。

舌の色:淡い赤色
苔:薄く白い 
脈状:細く弓を弾くような感じ



経過:
第一診:全身的な鍼灸治療を行い、漢方治療を希望されたので婦人科の医師より顆粒剤の加味逍遥散の処方をうけられました。
刺鍼経穴:公孫、内関、次髎、胞膏、列缺、三陰交、大衝、肝兪、脾兪、腎兪
第二診:2週間後、ちょうど月経の4,5日前に治療。
前回治療後は、とにかく身体が軽くなって非常にスッキリしたという事でした。
腹部の冷が少し気になるそうでしたので、腹部の温灸を追加しました。
第三診:前回月経後の腹部の痛みはかなり楽になっているという事。
吐き気や手足の冷えは改善されました。
次回も月経の3,4日前に受診するように伝えました。
第四診:初診より4カ月目。普段の下腹部の隠痛は無くなっており、月経時の痛みも無くなったという事でした。
一年後婦人科の検査で内膜の異常増殖は有りませんでした。

 

 
治療のポイント
 


子宮内膜症の場合、単独で子宮内膜の異常増殖の症状があるわけではなく、月経痛など痛みの症状を主訴として、婦人科検査で特定される場合が多いということです。
症例では、典型的に月経時の腹部痛がありまた吐気、手足の冷えが随伴症状として表れていました。
これは、更年期にさしかかってきているということも関係しますが、いわゆる経脈と言われる、気血の流れ道がうまく働かずに流れが阻滞して内膜の増殖に到っていると考えられます。

 

鍼灸治療では先ず、手足の経穴を使って関係する経脈の流れのアンバランスを正常に戻してあげます。吐き気は流れが逆流(逆気と言いますが)するため、また手足の冷えは末端が栄養されないために起こっています。
気血の正常な運行に関わるのは東洋医学では、「肝」と「脾」の働きを重視します。ですから、肝と脾の働きを高め、関連する経脈の流れを整えてあげることで痛みがなくなり、下腹部の滞り状態が改善されていきました。また、漢方の処方も相乗効果が期待できる治療法の一つです。

 

 
 
 
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