現病歴:
ここ20年近く月経時の腹痛があるという事でした。
特に最近2~3年程は痛みが強くなっており、市販の鎮痛剤などで対処されてきました。そこで婦人科を受診し検査されたところ、子宮内膜症と診断され服薬していましたが、あまり改善しないので、友人が鍼灸で良くなったということを聞いてご来院されました。
症状としましては、月経が来るとすぐに腹部が痛くなり、それと同時に吐気、手足の冷えがある。
経血に塊があり色は 暗い色、量は普通だと思う。普段は少し謡羽痛があり、お腹の両側が冷えて痛むという事でした。
舌の色:淡い赤色
苔:薄く白い
脈状:細く弓を弾くような感じ
経過:
第一診:全身的な鍼灸治療を行い、漢方治療を希望されたので婦人科の医師より顆粒剤の加味逍遥散の処方をうけられました。
刺鍼経穴:公孫、内関、次髎、胞膏、列缺、三陰交、大衝、肝兪、脾兪、腎兪
第二診:2週間後、ちょうど月経の4,5日前に治療。
前回治療後は、とにかく身体が軽くなって非常にスッキリしたという事でした。
腹部の冷が少し気になるそうでしたので、腹部の温灸を追加しました。
第三診:前回月経後の腹部の痛みはかなり楽になっているという事。
吐き気や手足の冷えは改善されました。
次回も月経の3,4日前に受診するように伝えました。
第四診:初診より4カ月目。普段の下腹部の隠痛は無くなっており、月経時の痛みも無くなったという事でした。
一年後婦人科の検査で内膜の異常増殖は有りませんでした。
|