仁愛堂  
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鍼灸のお話
 
はり・きゅうの治療のお話
 
 


今回は「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」という症状についてお話させて頂きます。
卵巣嚢腫
(卵巣腫瘍)とは比較的よくみられる婦人科系の良性腫瘍の一種です
が、膿腫が大きくなると 卵管を圧迫したり、卵子を産生する基質層を圧迫したりして不妊の原因の一つにもなります。
初期には無症状のことが多いのですが、主に下腹部の張った感じ、下腹部の痛み、圧迫感など が症状としてあげられます。

 

 

 
 


ここでは経過観察時期に、はり・きゅう治療をして良好であった症例をご紹介いたします。
この方は、3月に不妊検査を受けるため婦人科を受診、エコー検査で右側卵巣嚢腫(6.5㎝× 5㎝)が判明、経過観察となられました。

自覚症状:以前より下腹部の膨満感、お臍の下あたりがよく冷える感じがあり、最近なんとなく トイレが近い感じがしたそうです。
月経は順調で28日周期、経期は5~6日、月経痛はあまりありませんでした。
経血の色は、赤黒く塊がでる。その他の症状は、肩こりと腰の冷え、軽い腰痛が慢性的にあるという事でした。
脈は沈んで細い脈で、舌は淡色で舌辺に小さな瘀斑(おはん:紫色が、舌全体にみられるものや部分的に局在)がみられました。


経過:
第1診~3診:
身体にある「冷え」をまず取り除いていくために「火鍼(かしん)」を用いて治療を行いました。
第4診:お腹の冷えが楽になってきたということなので、腹部と腰部はお灸(灸頭鍼(きゅうとうしん))に かえて治療 を行いました。
第5診~6診:腰の冷えと痛みはなくられました。漢方薬の相談を受け、服用を希望されましたので 漢方専門薬局に紹介いたしました。
第7~11診:お腹もほとんど冷えなくなってきたという事でした。漢方は袪瘀湯(きょおとう)の加減方を服用中
第12診:初診より約3か月後、病院で検査したところ嚢腫は3分の1に縮小しているとの結果でした。
以後、不定期で体調管理を目的にご来院。
初診より13カ月後に妊娠が確認されました。
解説:温鍼で身体を温め補い、漢方で「瘀(お)」を取り去る治療を行いました。

 

 

 
治療のポイント
 


この患者さんは、ある程度の典型的な「冷え」が悪さをしているタイプの病態ですので、先ずこの 冷えを改善しなければならないために、「温法」つまり温める方法で治療を展開していくことになります。

「火鍼(かしん)」や「灸頭鍼(きゅうとうしん)」を初診より使って冷えを改善していきました。


また、この方は日常コーヒーを多飲される習慣があり、夏はアイスで良く飲むとのことだしたので、量を減らして、この飲食習慣を改めて頂きました。
冷えが強かったので、血流も悪くなり滞りができて、肩こりや腰痛などの随伴症状があり、経色が黒く塊があるのもこの滞りのためでしたが、治療が進むうちに塊も無くなってきて経色も明るい赤色に変化してきました。

これは、いわゆる「瘀血(おけつ)」といわれる状態が改善傾向にあることを示します。
膿腫も冷えが原因で腹部に滞りができ、瘀血が集まってできたと考えることも可能です。
今回は、途中より漢方の服用を開始したこともはり・きゅう治療と相乗効果がえられて、良い結果に結びついたと言えます。

 


 
 
 
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