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鍼灸のお話
 
はり・きゅうの治療のお話
 
鍼灸でケアーする「月経痛」について
 


月経前から月経期間中に下腹部や腰の痛みなどの症状をお持ちの方は、 意外と多いのではないでしょうか?
また主な症状は痛みの症状ですがその他の随伴、 する症状が多岐にわたる場合があります。

月経前に痛みの症状:
下腹部痛、頭痛、腰痛、関節痛などを主体として、乳房の脹痛、過敏感、むくみ、便秘、食欲の異常、 発汗過多、顔面の紅潮など多彩な身体症状と、イライラ、怒りっぽくなる、抑欝傾向、不安感が強いなどの精神的な症状が見られる場合もあります。
現代医学的では PMS(月経前症候群)として治療を受けられる場合が多いのですが、ホルモン異常や発痛物質など様々な原因が想定され、それに応じた薬物治療が行われています。

 

では、はり・きゅう治療ではこれらの症状についてどのように考え、治療を展開していくのか症例と共に見ていきましょう。

 

 

 
42才 女性「月経痛」のご相談
 


既往歴:花粉症 妊娠1回 通常分娩
現病歴:月経痛は、中学生の時からあった。初潮は14才。その後社会人になってから、特に月経前の下腹部の痛みと腰痛が強くなってきた。特に仕事が忙しい時は症状も強く出やすい。
ここ2~3年痛みがひどく立っていられない時もあった。(救急車で病院に搬送)
痛みの性質は、ひどい時は針で刺すような鋭い痛みである。
症状は必ず頭痛、頚肩の凝り、両下肢のむくみ、胃痛、イライラして怒りっぽくなる等の随伴症状がある。
月経終了後は症状はなくなる。
月経周期28日、月経期間は5~7日、経血:濃く血塊が混じる 月経量は多い
その他の自覚症状:手足の冷えがある 
肩こり、腰痛は常にあるが月経前は特につらい。
軟便気味 食欲は旺盛なほうで間食する:食事時間は不規則 

東洋医学的な診察所見:
脈診:脈は沈んでいて細くゆっくりしている
舌診:色は淡紅でややぼってりした感じ 苔は薄い
腹診:季肋部(肋骨の内側縁)に沿って圧痛があり押されるといやな感じがある
触診:足部、腰部、腹部全体は冷たい感じがある


やや肥満型 平均血圧120/80
現代医学的診断:PMS(月経前症候群) 器質的な異常はない 
婦人科でホルモン治療を行っている

ご本人は、服薬後ねむたくなることが多く薬物治療以外ではり治療を希望して来院されました。

 

 

 
 
治療のポイント
 


この方の場合は、一日中立ちっぱなしのサービス業に従事されているということもあり、心身の疲労をいつも感じているということです。
症状、所見を整理すると
1. ストレスによって増悪傾向にある
2. 体の冷え症状も多少ある 以上の二つのポイントが原因、
  引き金となっていることが考えられます。


東洋医学の考え方の中には「不通則痛」という考えがあります。
これは、「通りが悪いと痛む」ということですが、何の通りが悪いのかというと、大雑把に言うと、体の中を流れるエネルギーの流れと言えそうです。これは血流やリンパの流れも含んだものと考えれば分かりやすいでしょう。流れが滞るとそこに 機能異常が起こり痛みの症状として感じられます。

東洋医学では心と体は一体のものとして捉えますので、ストレスなどで情緒に変動が起こるとエネルギーの流れが滞りやすくなります。
また、冷えなどがあるとそれがいろいろな部位に停滞して悪さをします。  
この患者さんの場合には以上のことを考え合わせ、全身の適切なツボ(経穴) にはり治療と冷えを改善するためのお灸をしました。


経過:週1回の治療を基本としました。

第1診~5診:はり治療後は体が軽くなる感じがよくわかる。
第6診~10診:前回の生理の時は痛みが半分ぐらいになっていた。
第11診~15診:腰痛や下肢のむくみが改善されてきた。
第16診~20診:生理痛は鎮痛剤を飲まなくても過ごせるぐらいにまでなった。
第20診以降:お仕事上どうしても肩こりや腰痛が出やすいので、週1回定期的なケアのために来院中

この症例の場合は、「ストレスと冷え」にうまく対処することで比較的早期に痛みのサイクルから離脱できたケースでしょう。

はりきゅう治療を上手に生活の中に取り入れて、その後も定期的なケアで日常生活をより快適に過ごせればとおもいます。

 

 

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