この方の場合は、一日中立ちっぱなしのサービス業に従事されているということもあり、心身の疲労をいつも感じているということです。
症状、所見を整理すると
1. ストレスによって増悪傾向にある
2. 体の冷え症状も多少ある 以上の二つのポイントが原因、
引き金となっていることが考えられます。
東洋医学の考え方の中には「不通則痛」という考えがあります。
これは、「通りが悪いと痛む」ということですが、何の通りが悪いのかというと、大雑把に言うと、体の中を流れるエネルギーの流れと言えそうです。これは血流やリンパの流れも含んだものと考えれば分かりやすいでしょう。流れが滞るとそこに 機能異常が起こり痛みの症状として感じられます。
東洋医学では心と体は一体のものとして捉えますので、ストレスなどで情緒に変動が起こるとエネルギーの流れが滞りやすくなります。
また、冷えなどがあるとそれがいろいろな部位に停滞して悪さをします。
この患者さんの場合には以上のことを考え合わせ、全身の適切なツボ(経穴) にはり治療と冷えを改善するためのお灸をしました。
経過:週1回の治療を基本としました。
第1診~5診:はり治療後は体が軽くなる感じがよくわかる。
第6診~10診:前回の生理の時は痛みが半分ぐらいになっていた。
第11診~15診:腰痛や下肢のむくみが改善されてきた。
第16診~20診:生理痛は鎮痛剤を飲まなくても過ごせるぐらいにまでなった。
第20診以降:お仕事上どうしても肩こりや腰痛が出やすいので、週1回定期的なケアのために来院中
この症例の場合は、「ストレスと冷え」にうまく対処することで比較的早期に痛みのサイクルから離脱できたケースでしょう。
はりきゅう治療を上手に生活の中に取り入れて、その後も定期的なケアで日常生活をより快適に過ごせればとおもいます。 |